忘却の城 12階 ホール - I
ソラ:
ナミネ!
俺の大切な人って…。
ナミネじゃ…ない…?
ナミネ:
…うん。
ソラの大切な人は…ずっと一緒だったのは…私じゃなくて…あの人。
ソラ:
でも、あの子…誰なんだ?
名前…出てこないんだ。
いちばん大切だったらなんで思い出せないんだ?
ナミネ:
それは、私がソラの記憶を――
リク:
かわりに俺が教えてやる。
2人の背後からリクがやってくる
リク:
簡単なことさ。
おまえの記憶がデタラメなんだ。
ナミネを守るのは、おまえじゃなくて、この俺なのに――
勝手にふみこんできたんだ!
ウソの思い出にあやつられたおまえがな、ソラ!
リクと戦闘開始〜終了
ソラ:
リク!
リク:
かかったな!
ソラに斬りかかるリク、ソラは吹っ飛ばされて倒れこむ
ナミネ:
ソラ!
ソラ:
うっ…リク…。
リク:
俺の勝ちだな。
ナミネ:
リク、だめ!
リク:
消えろ、ニセモノ!
ナミネ:
やめて!
突然攻撃する姿勢をやめるリク
ソラ:
リク…?
倒れこむリク
ソラ:
リク! リク!
ナミネがやったのか?
リクに何をしたんだ!?
ラクシーヌ:
よーするに、そいつの心はぶっこわされたのよ。
ラクシーヌ登場
ソラ:
心が…壊された!?
じゃあ、じゃあリクはどうなるんだよ!
ラクシーヌ:
あはは! あわてちゃっておっかしいわね〜。
リクのことなら、なんにも心配はいらないわよ。
だってリクなんての、最初からここには存在していないのよね。
ソラ:
どういう意味だ!?
ラクシーヌ:
タネ明かし、してほしい?
してほしい?
どうしよっかな〜。
ソラ:
ふざけるな!
ラクシーヌ:
いいわ、じゃあタネ明かし。
あんた、真実を知った方が苦しむから、教えてあげる。
そこに転がってるのはヴィクセンがこしらえたただのオモチャ…人形なのよ。
ねえ、笑っちゃうでしょ?
あんたをニセモノって呼んだそいつの方がニセモノってわけ。
ソラ:
このリクが、ニセモノ!?
ラクシーヌ:
体も記憶もね〜。
作りたてのニセモノだから過去なんか、あるはずがないでしょ。
だからナミネとの思い出を心にうえつけてやったというわけ。
つまり…そいつがムキになって守ろうとしてたのは、何から何までウソの思い出だったのよ。
これで正解でしょ、ナミネ。
あんたって、カワイイ顔してヒドイことするわよね〜。
ソラ:
ナミネ?
ラクシーヌ:
ば〜か!
まだわからないの?
それがナミネの能力なのよ。
人の心にふみこんで記憶をいじりありもしない思い出を好き勝手に描いちゃうの。
あんたが守ろうとしたナミネはねウソの記憶という名の鎖で心をしばる魔女なのよ!
ソラ:
なら、俺の記憶も思い出も…。
ラクシーヌ:
そーゆーこと!
ぜ〜んぶウソウソ!
ナミネが作った幻よ!
記憶の鎖であんたをしばってさそいこむワナだったのよ!
あんたって、スカっとするほど簡単にひっかかってくれたわ。
もう少しでうまくいったのにね。
…キーブレードの勇者を私たちの、あやつり人形にするチャンスだったのにさ!
アクセルのやつが裏切ってナミネを行動させた!
ソラの前に歩み寄るラクシーヌ
ソラ:
こいつっ…!
ナミネ:
待って!
ラクシーヌの前に立ちふさがるナミネ
ラクシーヌ:
はぁ?
な・ん・の・つ・も・り?
ソラを守りたいってわけ?
あんた、おかしいわ。
ソラの記憶をいじって追いつめたのは、あんたでしょ。
ナミネ:
でも!
ラクシーヌ:
悪いけど私、今ものすっごくキゲンが悪いのよね。
あんたのせいで計画がダイナシよ!
ナミネを殴り倒すラクシーヌ
ソラ:
ナミネ!
ラクシーヌ:
なに? 心配してるわけ?
ふふ…あんたとナミネは赤の他人でしょ。
ソラ:
かもな。
だけど…だけど俺、約束した。
そうだ、ナミネを守るって約束したんだ!
ウソの思い出だったとしても約束はまだ、俺の胸にある。
だから…守るんだ。
ラクシーヌ:
ばか?
そんな約束、存在しない幻よ。
全部あんたの思いこみなの。
なのに、ひとりで勇者ごっこ?
まあ、いいわ。
そこまで言うなら――
ひとりで消えちゃいな!
ソラに襲い掛かるラクシーヌ
グーフィーとドナルド登場
ドナルド:
誰がひとりだって?
ソラ:
ドナルド!? グーフィー!
来てくれたのか!
グーフィー:
そりゃそうだよ。
だってソラが心配だもの。
ドナルド:
僕たちだって、ソラを守るって決めてるからね。
グーフィー:
ひとりになんか、させないよ。
僕たち、ずっと3人で旅してきたんだから――
ドナルド:
わかったか、ラクシーヌ!
どんなことがあったって、これからも、ずっと3人なんだ!
ラクシーヌ:
いいわ。
ひとりを消すより、3人を消す方が、ずっと楽しいわ!
ラクシーヌと戦闘〜戦闘終了
ラクシーヌ:
なによ! なによ!
なんで私が、あんたなんかに負けるわけ!?
私が…消える?
そんなこと…あるはずが…みとめられる…わけが…。
グーフィー:
君がナミネだよね?
ええと、僕らはソラの友達で――
ナミネ:
グーフィーさんと、ドナルドさん。
ドナルド:
なあんだ、もう知ってるんだね。
グーフィー:
おめでとう、ソラ。
大事なお友達が見つかって本当によかったね。
ジミニー:
うーん…どこから説明すれば…。
ナミネさん、すまないが事情を聞かせてくれないかね。
話にくいとは思うんだが。
ナミネ:
いいんです。
私がやったことだから…。
忘却の城 12階 ホール - II
ナミネ:
…ソラの心にやきついた大切な人との思い出を――
私が作ったウソの記憶に少しずつ、すりかえたの。
ドナルド:
それなら、ソラが昔『ナミネを守る』って約束した話も?
ナミネ:
ぜんぶ…私のウソ。
ソラは私に約束なんてしてない。
私が島にいたというのもウソ。
今まで会ったこともなかった。
私はソラの友達じゃなかったし――
ソラ:
本当に大切な人でも…ない。
ナミネ:
うん。
君の本当の思い出には、私なんて存在しない。
ジミニー:
私たちの記憶がなくなったのもナミネさんの力というわけか。
元に戻す方法はあるのかな?
ナミネ:
今すぐは無理だけど…13階に行けば治せます。
でも、マールーシャが…。
ジミニー:
そいつに命令されて、ソラや私たちの記憶を変えたというわけだね。
ナミネ:
言うことをきかないといつまでも城に閉じこめるっておどかれて…。
私、ずっとひとりだったから…。
グーフィー:
さびしくて、言うことをきいじゃったんだね。
ナミネ:
ごめんなさい…。
ソラ:
やめろよ。
そんな顔すんなって。
ナミネ:
…うん。
私には、泣く資格なんてなかったね。
ソラ:
そうじゃなくて!
そりゃあ、さ。
俺の記憶、勝手にいじってふざけるな!って思うよ。
でも、なんていうか…今は本気で怒る気になれないんだよな。
ナミネが作った記憶…頭では、ウソだってわかったけどまだ心に焼きついてる。
あの約束のことも。
『ナミネが泣かないように守る』って約束した思い出、残ってるんだ。
なのに、そんな顔されるとなんか俺が泣かせたみたいでこまっちゃうんだよな。
だから今は…いい。
記憶が元にもどるまでは、泣いたりあやまったりするより笑ってくれた方がうれしいんだ。
ナミネ:
ソラ…。
ドナルド:
ねえ、グーフィー。
ちょっとかっこつけすぎだと思わない?
グーフィー:
そうかな?
ソラって女の子の前だといつもこんな感じだよ。
ソラ:
うるさいなあ!
どうしてそういうことばっかおぼえてるんだよ!
ドナルド:
もちろん、ソラが大切な友達だからさ!
ソラ:
ったくもう…。
ナミネ:
ふふ…。
ソラ:
そう、その顔。
思い出とおんなじなんだよな。
俺、ナミネの笑顔が大好きだった。
そう感じるのも、幻の記憶のせいなんだろうけど…。
『ナミネが笑ってうれしい』って気持ちは、本物だよ。
ナミネ:
…ありがとう。
ソラ:
じゃあ、行こうか!
ドナルド:
よーし!
僕らの記憶を取りもどそう!
グーフィー:
マールーシャが待ちかまえている、ナミネはここに残った方がいいね。
ソラ:
うん、リクの面倒を見ててくれ。
終わったら、呼びに来るから。
ナミネ:
わかった。
気をつけてね、ソラ。
ソラ:
大丈夫だよ。
約束する。
過ぎ去りし思い出入手